「迎え花」とは
いけばなは昔、お茶室でお客様をお迎えするのに床の間に飾られたことが始まりだが、お茶室に飾るものを「茶花」、お客様を迎える時に玄関など、歓迎する意味を込めたものを「迎え花」と言う。
迎え花は、その季節の植物を使い、どのようなお客様をお迎えするか、場所にあったいけばなでおもてなしを表現する。正月には縁起の良い花材を入れ、歓迎する。
花材
苔まき、いいぎり、胡蝶蘭、ストレリチア、丸竹
器制作 原田 耕三郎
まだ明け切らぬ朝の渚をイメージして制作。轆轤で挽いた
生地がまだ乾き切らぬうちに泥漿(でいしょう / 土を柔らかく溶かしたもの)を手でまわしつけてさざ波を表した。
釉薬は酸化銅を用いたもので、還元により赤と緑を呈するもの。辰砂釉の一種。焼成時に流れやすい釉薬で施釉の量に苦労した作品。
花提案 後藤 麗美 ( ごとう れいび)
竹と苔まきを横に広げ、いいぎり、胡蝶蘭、ストレリチアで華やかにお祝いの気持ちを表した。グリーンの寸胴花器が黒い地板の上で引き立つよう意識した。