花材
ばら、晒葉らん、スミキア(レッド)、晒山シダ、手描和
花制作 栁沢 香翠 ( やなぎさわ こうすい )
花を活けるための有田焼はどういうものなのか、送られてくるデザイン・試作過程を見ては完成を楽しみにしていた。実際、手にした時は私の想像をはるかに超えて、その厚み、重さ、色の深み、それぞれの花器すべてにその特性が活かされており、本当に素晴らしさに感嘆した。作品的には有田焼花器を全面に押し出したかったため、色の選択としてはこげ茶の花器に対し、晒葉らん、山しだ、オレンジのばらを対照的に活けた。また、テーブルと花器が同系色で同化するのを防ぐため、自作の手描き和紙を敷き、めりはりをつけた。この度の花器は大変活けやすく、和洋どちらにも使え、重厚でありながらどのようなTPOにも対応できる素晴らしい花器であった。有田焼様とのコラボレーションを本当に堪能させていただいた。
器制作 寺内 信二
作品 11 と同じ石膏型を用いて制作。銅の鍛造器(鎚起銅器)をイメージした仕上げ。コッパー(銅)を上絵具として用いた。
器提案 後藤 麗美 ( ごとう れいび )
卵のような柔らかいフォルムで、20度ほど傾いて動き出すかのようなイメージ。口元は、柔らかさとは逆に荒くちぎりとって、花材がとまりやすくなっている。落ち着いた格調高い色に仕上げていただいた。